治療設備紹介
当院の外部放射線治療装置:リニアック
リニアックとは日本語で直線加速器のことで、いわゆる放射線治療の多くは、このリニアックを用いて行います。当院は、TrueBeam(Varian Medical Systems)を2台有しています。いずれの装置も強度変調放射線治療(IMRT)や画像誘導放射線治療(IGRT)、肺がんや肝臓がんに対する定位放射線治療(SRT)などの最新治療技術を駆使した高精度放射線治療が可能です。TrueBeamでは、従来の最大4倍の高出力での放射線照射が可能であり、より短時間での治療が可能で、長時間の姿勢保持や呼吸制御が困難な患者さんへの高精度放射線治療の適応拡大につながっています。また、室内装飾は窓から空が見えるようなデザインとなっており、患者さんの不安やストレスを軽減するような治療室となっております。当院の照射件数は1日60〜80件程度/2台で、リニアック1台に対し、診療放射線技師2名、看護師1名で照射業務を行なっています。
遠隔操作式小線源治療装置(RALS)、同室設置CTシミュレータ
直径1mmのイリジウム線源を病巣部に挿入し、体内より放射線を照射する装置です。線源の停止位置や停止時間を正確に制御します。子宮頸がん、子宮体がん、舌がんなどの治療に用います。当院では撮影されたCT画像をもとにして、三次元治療計画(画像誘導密封小線源治療:IGBT)を行っています。IGBTでは腫瘍と周囲の正常臓器に照射される放射線の線量を把握し、患者さん毎に照射する線量を調整することで、治療成績の向上や有害反応の軽減が期待できる、画期的な高精度放射線治療です。2022年3月より、RALS室のIGBTシステムを更新し、小線源治療室に同室の透視装置(Trinias:島津メディカルシステムズ)およびCT装置(DiscoveryRT:GEヘルスケア)が導入されました。治療装置とCTが同室に設置されているため、器具の挿入から治療計画CTの撮影、照射までCTの寝台上にて全て行うことができ、より患者さんの負担も少なく治療できるようになりました。
CTシミュレータ
放射線治療計画に用いる多列検出器付CT(Aquilion Exceed:キャノンメディカルシステムズ)です。病変部の3次元的な評価に加えて動きの評価も可能です。治療体位で治療計画用のCT画像を撮影します。
治療計画装置
放射線治療ではCT画像をもとにして、病巣部の形状、部位に最も適した治療方法を決定し、線量の計算を行います。3次元的な線量分布図を作成し、病巣部のみならず周囲の正常組織の照射線量を正確に計算します。決定された治療計画はオンラインでリニアックに転送され、その治療計画をもとに治療が行われます。当院では、Eclipse 4台、Pinnacle 5台およびRayStation 3台を用いて治療計画を行っています。当院では、医師が治療計画を作成し、医学物理士や診療放射線技師がその計画に改善点がないか検討を行い、登録や検証を行なっています。