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医局長からのメッセージ

医局長 村上祐司

放射線治療は私が入局してからの約25年間、目覚ましい進歩を遂げました。 当初は、X線写真上にCT画像や触診を頼りに病変輪郭を描出し、照射範囲を決定する二次元放射線が行われていました。 次に、CT画像上での病変の輪郭入力、病変の形状に合わせた照射野作成、様々な方向からの照射が可能となった三次元放射線治療の時代を迎えます。 三次元放射線治療では、病変への線量集中と周囲の正常臓器への線量低減が可能となり、治療成績向上に大きく貢献しました。 そして、現在、この三次元治療の精度を極める高精度放射線治療として、強度変調放射線治療、体幹部定位放射線治療、画像誘導放射線治療などが開発され、より安全に高い治療効果が得られるようになりました。 また、長年の命題であった標的の呼吸性移動は、呼吸位相のモニタリングを行い、呼吸静止あるいは呼吸の一部の位相のみで照射を行う息止め照射や呼吸同期照射で克服可能となりました。 これは時間軸を調整する治療であるため四次元放射線治療と呼ばれています。

広島大学では、これら高精度放射線治療を積極的に施行し、がん治療に大きく貢献しています。手術とまったく遜色のない治療成績が得られるようになった領域もたくさんあります。手術・化学療法との併用で行う集学的治療の一翼を担い、より有効な治療法の開発にも力を入れています。放射線治療装置および放射線治療計画コンピュータや周辺機器の進歩はとどまるところを知らず、さらなる進歩が期待できます。また、放射線治療は、最先端治療だけではなく、がん性疼痛など緩和治療においても大きな役割を果たします。患者さんの希望・満足を第一に考えた治療を放射線治療チーム、多職種チーム一丸となって行っています。

がん治療の三本柱の一つである放射線治療ですが、全国的にみてもまだまだ専門医を含め、医師不足の状態です。一人でも多くの医学生、研修医に放射線治療科を選択してもらえるように最先端の放射線治療技術の積極的な導入、最近注目を浴びている人工知能(AI)の放射線治療領域への導入も進めつつ、雰囲気の良い医局作り、手厚い専攻医教育も行っています。広島大学病院放射線治療科では、患者さんとともにがんに立ち向かう志ある先生を募集しています。非常にやりがいのある仕事ですし、これからも益々の進歩が期待できる診療科です。少しでも興味があれば、是非ご連絡ください。