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小児がん

広島大学病院における小児腫瘍に対する“放射線治療”の特色

小児がん拠点病院

広島大学病院は平成25 年に「小児がん拠点病院」に選定されました。小児がん拠点病院は小児がん診療の中心的な役割を担う施設で、中国・四国ブロックでは広島大学病院が唯一です。広島大学病院放射線治療科では小児科、小児外科、脳神経外科はじめ各診療科と協力して積極的に小児がんの治療に取り組んでいます。陽子線治療装置は未導入のため、陽子線治療が望ましいお子さんには、県外の陽子線治療施設と連携して治療をおこなっています。

安心して治療を受けるための治療準備

当院では多職種で連携し、治療を受けられるお子さんの不安を軽減するための様々な取り組みを行っています。

イラストや写真を用いた子ども用パンフレットでの治療説明

子ども用に作成したイラストを用いて放射線治療科医師、看護師より治療の説明を行っています。

治療室の見学

※コロナウイルスの感染状況等により行えない場合もあります。

放射線治療部門のスタッフが小児科病棟の看護師、チャイルド・ライフ・スペシャリストと連携して、お子さんひとりひとりの年齢、理解度、性格、発達段階に応じて、安心して治療に取り組めるように事前に治療室の見学を行っています。これにより少しでも治療に対する不安を軽減してもらえるよう努めております。

治療室、治療装置の飾り付け

お子さんが少しでも治療室に馴染めるように、室内や治療機器に飾り付けを行っています。その他にも、治療の日に毎日、スタンプカードに好きなシールを貼ってもらう、終了日に治療室での記念写真をプレゼントするなど治療に前向きになってもらうための工夫をしています。

小児がんの治療成績改善を目指す臨床試験への積極的な参加

  • 小児がんの治療成績は近年向上を認めておりますが、まだまだ満足のいくものではありません。当院では将来の患者さんに貢献できるよう臨床試験に積極的に参加しています。
  • 国内ではJCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)やJCCG(日本小児がん研究グループ)などの多施設臨床試験にも参加しております。

広島大学病院における小児がんの治療の実際

放射線治療の準備

  • 治療の準備にあたっては治療を行う姿勢で専用のCT(治療計画CT)を撮影します。
    CT撮影に際して安静を保つことが難しいお子さんは鎮静剤を用いてCTを撮影します。
  • 撮影した治療計画CTや様々な診断画像を活用して病巣部と腫瘍が存在するかもしれない部位に出来る限り集中して放射線を照射し、正常の組織を守るように専用のコンピュータ(治療計画装置)を用いて放射線治療の計画をします。精密に計算を行うためCT撮像から治療開始まで数日から2周間程度期間を要します。
  • 移植前の全身照射に関しては全身照射のページをご参照ください。

放射線治療の線量や回数

  • 線量や回数は腫瘍の組織型、目的によって異なります。
  • 小児がんの放射線治療では通常1日1回、週5回、計10-30回の照射を行います。

放射線治療に要する時間

  • 1回の治療に要する時間は10-20分程度です。
  • 安静の保持が難しいお子さんでは鎮静剤で眠ってもらい治療を行います。

ご本人、周りの方への影響

放射線を用いて治療を行いますが、治療終了後はお子さん本人から放射線が出ることはありませんので、終了後に本人や周りの方が被曝することはありません。

放射線治療の副作用

  • 一回の放射線治療をうけても通常は大きな体調の変化はありません。
  • 頭部や腹部に治療を行った場合には、体のだるさや頭が重い感じ、吐き気などが起きることがあります。しかし多くは翌日には回復します。もし吐き気などが強い場合にはそれを抑える薬剤を用います。
  • 治療開始から一、二週間たつと放射線治療を行っている部位の皮膚が赤くなってかゆみが出ることがあります。腹部への治療では下痢や腹痛が起きることもあります。のどが照射される場合には食べ物を食べたときの痛みが生じる事もあります。これらの症状は治療後軽快します。
  • 頭部への照射では三週間ほどたつと髪の毛が抜けてきます。化学療法の影響がない場合、通常、治療後2~3ヶ月後に髪が生え始めることが一般的です。髪質や髪の量が変化することがあります。
  • 治療が続けられない程の副作用が生じる事はめったにありません。治療を開始した方のほとんどが予定の治療を完遂することが出来ます。治療中を通して体調を良く維持することが大切です。

放射線治療後

放射線治療の効果や副作用は治療がおわってから出てくる事もしばしばあります。また、化学療法などを続ける必要がある場合もあります。治療と評価のスケジュールを主治医の先生を交えて相談します。