医局長からのメッセージ
医局長 西淵 いくの
医学生・研修医の皆さん、こんにちは。
広島大学放射線腫瘍学講座 医局長の西淵いくのです。
私は、広島大学放射線腫瘍学講座の入局第一号としてこの分野に飛び込みました。
もともとは手術に興味があり、外科系を志望していた私が放射線治療科へ進むことになったきっかけは、初期研修中に、どの科へ進んでも役立つと思い放射線診断学を学ぶ目的で放射線科をローテーションで選んだことでした。その中の1か月間を放射線治療科で過ごし、「色も形も臭いもない放射線」で腫瘍が縮小していく様子を目の当たりにし、大きな衝撃を受けました。
「がんを切らずに治す。放射線治療医は、目に見えないメスを持っている。」当時の指導医の先生のこの言葉は、外科志望だった私の心に深く響き、進路を決定づけるものとなりました。
放射線治療は、がん治療の中でも「根治」「再発予防」「緩和」といった多様な目的で用いられることが大きな特徴であり、それは手術や薬物療法にはない魅力です。がん患者さん一人ひとりの状況に向き合い、最適な放射線治療を提供していくことに、日々大きなやりがいを感じています。
私が入局して以来、高精度放射線治療の技術革新や新規薬剤との併用療法の進展により、放射線治療はめざましく進化してきました。今後は、治療機器や計画システムのさらなる進歩に加えて、RI内用療法の進歩、放射線生物学の臨床応用なども期待されており、この分野はまだまだ発展の余地を大きく残しています。
一方で、放射線治療を専門とする医師は、依然として全国的に不足しているのが現状です。ぜひ、放射線治療の未来を、ともに切り拓いていきましょう!
がん治療や放射線治療に少しでも興味のある方は、ぜひ医局説明会や放射線治療科セミナーにご参加ください。医局見学も随時受け付けておりますので、どうぞお気軽にご連絡ください!